”歯医者さんに聞く、歯を磨くベストなタイミングはいつ?”
こんにちは、ハリヨ歯科の院長の長縄です。
本日のテーマは、
”歯医者さんに聞く、歯を磨くベストなタイミングはいつ?”
いつ、歯磨きをしたらいいの?
一日何回歯を磨くのがベスト?
一回の歯磨きの時間はいつ?
歯ブラシ以外に使っている補助清掃器具はありますか?
などなど、歯磨きに対する疑問っていくつもありますよね。
そんな中で、今回は歯磨きをするタイミングはいつがいいのかについてお話しします。
まずは、一般の方の統計を見てみましょう。
インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチのDIMSDRIVEの統計(https://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2016/160531/)では
最も皆さんが歯を磨く時間帯は、就寝前(62.4%)次いで、朝食後(56.4%)3位起床時(30.9%)4位夕食後(27.7%)5位昼食後(27,7%)となっています。
では、歯科医師の立場から、医学的にみて、最も歯を磨くのに適したタイミングはというと、
ズバリ、就寝前!!
多くの方の行動は当たっていると行って良いでしょう。
では、なぜ、就寝前に歯を磨くと良いのか。
それは、就寝時に唾液量が減ることが大きく関わります。
では、なぜ唾液量が減るのか?体の性質を知ると答えがわかります。
私たちの体には「自律神経」と呼ばれる特別な神経があります。この自律神経は、私たちが特に意識しなくても、体の様々な機能を制御してくれる素敵な仕組みです。自律神経には、興奮状態にする「交感神経」と、リラックス状態にする「副交感神経」の2つの部分があります。
さて、唾液は私たちが食べ物を食べる時や話す時にとても重要な役割を果たしています。食べ物を噛んだり飲み込んだりするときに唾液が出てくることで、食べ物を滑らかにし、消化しやすくするお手伝いをしてくれるんです。
副交感神経が優位になると、私たちの体はリラックスモードに切り替わります。例えば、寝る前やゆっくりとリラックスする時間に副交感神経が活発になります。このとき、私たちの体は休息を取るためにエネルギーを節約しようとします。
そのため、副交感神経が優位になると、私たちの体は唾液を作る量を減らすのです。唾液を作るためにはエネルギーが必要ですが、リラックスモードではエネルギーを節約するために、唾液の分泌を少なくするんです。
だから、副交感神経が優位になると、唾液の分泌量が減ってしまうのです。
では、唾液の量が減るのなぜいけないのか。
口腔内にはたくさんの細菌が生息しています。これらの細菌は、食べかすや糖分を好んで食べて生きています。私たちの歯や口の中を清潔に保つためには、これらの細菌の数をコントロールする必要があります。
唾液は私たちの口の中を洗浄し、細菌を取り除く役割を果たしています。たくさんの唾液があると、細菌を洗い流して清潔な状態を維持することができます。しかし、唾液量が減ると、細菌が増える可能性が高くなるのです。
副交感神経が優位になると唾液量が減るとお話ししましたね。副交感神経が活発になると、私たちの体はリラックスモードになります。そのため、唾液の分泌量が減少してしまいます。
細菌は糖分を好んで食べます。食べ物やお菓子を食べた後、残った糖分が口の中に残ってしまうと、細菌はそれをエネルギー源として利用し、増殖します。唾液の量が減ると、糖分を洗い流す力も弱まるため、細菌が増えやすくなるんです。
増えた細菌は、歯の周りや歯の間などに集まり、酸を作り出します。この酸は歯を溶かす力があり、虫歯や歯のトラブルの原因になります。
だから、唾液量が減ると口腔内細菌の数が増えてしまうんです。そのために、就寝前に丁寧に歯を磨くことによって、口腔内の細菌を可能な限り少なくして、就寝時に細菌が増えて口腔内に悪い影響を与えないために重要になります。
その、メカニズムを知っていると、就寝前の次に大事な歯磨きのタイミングは皆さんわかりますよね。
そうです。朝起きた後すぐに歯を磨くです。
就寝前から朝起きるまでに増えた細菌を洗い流す必要があるからです。
朝起きたまま、食事をすると、お口の中に増えた細菌を一緒に食べることになるからです。
ここまででお話しした通り、歯を磨くタイミングで重要なポイントは、就寝前と起床時です。
食後も、可能であれば、歯磨きを行なった方が良いですが、必ずしも必須ではなく、夜しっかり、朝は汚れを落とす程度で磨いてみるのもいいと思います。
ハリヨ歯科では、定期検診時や歯周病治療時、初診時に歯磨きのテクニックや、ヒントを教えていますので、気になる方は是非、スタッフに聞いてみてください。