一生自分の口で美味しく食べる〜実例前編〜
おはようございます。
大垣市今宿のむし歯予防、歯周病予防に力を入れている歯医者さん、ハリヨ歯科の院長の長縄 陵亮です。
人間は言わずと知れた、食べ物を食べて栄養を得ることによって生きることができる生物です。
食べるという行為は自分自身の生命を保つための本能であり楽しみですね。
実際ハリヨ歯科に現在ご通院の患者様のお話です。
パーキンソン症候群をお持ちでここ数年の筋力低下が著しく、誤嚥(物を飲み込む際、物が食道ではなく誤って息道・気管に入ってしまうこと)を繰り返しておられました。
主治医の医科の医師や、介護施設の方々からは*誤嚥性肺炎の懸念から流動食を勧められていました。
しかし、ご家族の強い希望によりできるだけ本人の力で美味しいものを家族と同じように食べさせてあげたいという希望で来院されました。
介護において、常に支える側、常に支えてもらう側が決まってしまう関係上、双方の精神的な負担も大きく関係が行き詰まることもあるそうです。
そんな中で、できるだけその支える側、支えられる側の関係を忘れるため、お互いに介護が始まる前のフラットな関係になれるよう、できるだけ外の空気を吸いに、お出かけされるそうです。
その先にはやはり食事の楽しみは切っては離せないものです。
安全のため、持参した流動食を食べることもできますが、できるだけご家族と同じように食べさせてあげたいというあたたかな思いをお持ちのご家族です。
介護されておられる、またはその経験がおありの方はこの思いに賛同されるのではないでしょうか。
ただ、管理・機能回復のための訓練をしない本人の現状の機能を無視した無茶な食事はご家族に厳重注意しています!!
ハリヨ歯科では、誤嚥性肺炎のリスクを踏まえた上で安全を確保しつつ食事していただくためにいくつか検査・評価・指導させていただいています。
熱心なご家族の毎日のトレーニングの成果もあり、その成果が見た目顔貌にも現れましたので、次回、ご本人・ご家族の了承の上、一生自分の口で美味しく食べる〜実例後編〜にてご報告します。
*誤嚥性肺炎とは物を飲み込む際、物が食道ではなく誤って息道・気管に入ってしまうことにより、食べ物・唾液・胃液などと一緒に細菌が気道・肺に入ってしまうことにより発症します。肺炎は日本の死因上位に常にあり、特に65歳以上その割合が増します。肺炎のほとんどが誤嚥性肺炎であるとの報告があります。
お口が汚れない経管栄養であっても、総入れ歯であってもお口の中を清潔に保つための定期的な口腔内清掃が重要です。