こんにちは、岐阜県大垣市でハリヨ歯科を開業している院長の長縄です。
今回のテーマは
”永久歯と乳歯のむし歯のでき方に違いがあることはご存知ですか?”
皆さん、一度でもむし歯になったことはありますか?
昭和の時代は、むし歯の洪水といわれた時代ですので、僕らの世代までは、それなりにむし歯がある人が多いのかなと思います。
現在は、どんどん、むし歯の数は減ってきています。
自分たちがむし歯に悩まされている人は、お子さんにはむし歯にしたくないと強く思い、小さい頃から定期的に歯科医院に受診する人も少なくないかなと思います。
今回のテーマの乳歯と永久歯のむし歯の違いについて、ご説明していきますね。
●乳歯の虫歯と永久歯の虫歯はいくつかの点で異なります。
乳歯の虫歯:
- 乳歯は永久歯に比べて小さく、形状も異なることがあります。乳歯は一時的な歯であり、成長とともに永久歯に交換されれます。⇨だから、乳歯ならむし歯になっても良いと思われるかもしれませんが、色々な意味でそんなことはありません。
- 乳歯のエナメル質は比較的薄く、虫歯になりやすい傾向があります。これは、乳歯のエナメル質の形成が未熟であるためです。
- 乳歯の神経組織は永久歯に比べて大きく、虫歯が神経に到達しやすいです。そのため、乳歯の虫歯は早期に治療する必要があります。⇨気づいたら神経をとらなければならなかったり、そもそも、もうむし歯が神経に到達し保存が不可能な場合もあります。
- 乳歯の虫歯は進行が速く、周囲の組織に感染が広がりやすい傾向があります。早期の治療が重要です。
- 乳歯は後続の永久歯の位置を保持するためのガイドとしての役割があります。早期に乳歯が失われると、永久歯の正しい位置や咬合に影響を与える可能性があります。⇨生え変わるからむし歯になっても大丈夫、そのまま放置は、噛み合わせに大きな変化をもたらし、歯並びがガタガタになってしまうことも。
永久歯の虫歯:
- 永久歯のエナメル質は乳歯に比べて厚く、より耐久性があります。しかし、適切な口腔管理ができていない場合はむし歯になる可能性があります。また、生えた手の幼若永久歯はむし歯になりやすいので要注意です!
- 永久歯の神経組織は乳歯に比べて小さく、虫歯が神経に到達するまでの時間が長くなることがあります。乳歯よりは神経に到達しにくいです。
- 永久歯の虫歯は進行が緩やかで、乳歯のように周囲の組織への感染の広がりが速いわけではありません。これは、永久歯のエナメル質が厚く、歯の構造がより堅固であるためです。
- 永久歯は長期間使用されるため、摩擦や摩耗が生じることがあります。これにより、歯面の保護が低下し、むし歯のリスクが高まることがあります。
- 永久歯は乳歯に比べて根が長く、より深い位置に埋まっています。むし歯が根の部分に進行すると、治療が困難になる場合があります。
- 永久歯は乳歯に比べて後方に位置しており、歯ブラシの届きにくい部分があります。十分な口腔管理が行われない場合、むし歯のリスクが高まる可能性があります。
- 永久歯は乳歯に比べて生涯の長い期間使用されるため、むし歯の発生リスクが長期間にわたって存在します。適切な予防措置と定期的な歯科検診が重要です。
- 永久歯のむし歯治療には、より高度な治療技術や材料が必要となる場合があります。永久歯の損傷や欠損の修復には、充填治療や歯の被せ物などが一般的に使用されます。
- 永久歯のむし歯は成長や発育に影響を与えることがあります。特に、永久歯が発育途中の子供や思春期の若者では、早期治療が重要です。
これらは乳歯の虫歯と永久歯のむし歯の主な違いです。しかし、個人の口腔状態やケアの違いによっても異なる場合があります。定期的な歯科検診と適切な口腔衛生習慣を実践することで、むし歯のリスクを最小限に抑えることができます。