一生自分の口で美味しく食べる

2018.02.03
一生自分の口で美味しく食べる

おはようございます。

大垣市今宿のむし歯予防、歯周病予防に力を入れている歯医者さん、ハリヨ歯科の院長の長縄 陵亮です。

医科研修、総合病院での勤務が長かった私たちは、

 

全身的な機能の衰えとともに口腔機能の衰えを迎え

→刻み食

→流動食

→誤嚥の危険が出れば胃瘻などによる経管栄養

 

という姿を見てきました。

誤嚥性肺炎の危険性を回避するためには経管栄養は最適な方法であり、介護者の負担、心労も軽減される良い方法といえるでしょう。

 

しかし、物を口から食べるという行為は、人間はもちろん動物の持って生まれた本能です。口から物が食べられなくなった時、もし身体だけは元気で食欲以外の興味に没頭できたら、食べるという行為は諦められるかもしれません。

多くは、身体機能が衰え、思うようには動けなくなることが多く、最後生きていくために残るのは食事のみが楽しみというパターンです。

ご自身の自由がきかなくなり、食事のみが楽しみとなったとき刻み食はまだしも食感も美味しさの重要な要素であるにも関わらず流動食、さらにはお口で味すら感じることのない経管栄養となったとき、人間の本能である食欲は満たされるのでしょうか。

 

医療技術の進歩により人間は生きながらえることは可能になりました。

しかし、人間が人間らしく生きるのに重要なのは健康寿命です。

“人間らしく “をほぼ担うのは美味しいものを美味しく食べることに最後は行き着くのではないでしょうか。

 

当院では、嚥下の訓練を行っています。

院長は総合病院での嚥下機能の評価、訓練を行ってきており、患者様に安全にご自身のお口で食事を楽しんで食べてもらうために診療してきた経験があります。

現在、ご通院の患者様は大変熱心な介護をされるご家族のお力もあり、ハリヨ歯科でできる最善を尽くしています。

介護者・ハリヨ歯科両者の力を合わせ、「最後までお口で美味しくお食事を“安全に”摂っていただく」にこだわっています。

ハリヨ歯科では嚥下機能の評価とともに、誤嚥性肺炎のリスク軽減のための口腔内清掃、お家でも取り組んで頂けるマサージ法のご指導などを行っています。

 

私たちができることはごくわずかなことです。毎日を一緒に過ごされ支えておられるご家族の力が私たちの想像を超える労力であり、それをいとわない愛だなと感じます。

日常にこそ、一度衰えてしまった機能の回復のチャンスはあり、その継続こそが課題であり難題です。介護は口腔機能の回復だけでない、その他の些細なことから大きなことまで日常を支えることの連続です。

 

次回、ハリヨ歯科でご通院の方の口腔機能の回復についてお話しますね!!