飲み物で歯が溶けるってほんと?

2021.11.14

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

本日のテーマは、飲み物で歯が溶けるのかという疑問に付いてお答えします。

我々が小さいときは、炭酸飲料を飲みすぎると、骨が溶けるよってよく言われたものです。

そんな、ことは無いと思いながら、まことしやかにささやかれていましたが・・。

「炭酸飲料を飲むとカルシウム(骨)が溶ける」という話は、無果汁加糖炭酸飲料に含まれるリンが体内のカルシウムとくっついて、リン酸カルシウムという形になって体外に出ていってしまうことがあるからです。無糖の場合は問題ありません、等が入っていると少し問題になるみたいです。

では、歯についてはどうでしょうか?

歯は酸性の食べ物や飲み物を飲むことで溶けてしまいます。このことを、歯科業界では酸蝕症と読んでいます。

読んで如く

歯が酸の強いものを食べて蝕まれた状態のことです。

酸性の食べ物、飲み物としてパッと思い浮かぶものはありますか?

黒酢や、レモン、もずく酢などを思い浮かべますかね?
通常はお口の中はpH7で中性で、歯のエナメル質はpH5.5以下になると溶け始めます。そのため酸性度の高い食べ物や飲み物を飲み続けると、歯が溶けてしまうのです。

食べ物と飲み物のpHを見ていきましょう。

pH2

レモン(2.3) コーラ(2.7)

pH3

  ワイン(3.2) エナジードリンク(3.9) スポーツドリンク(3.5)

pH4

 グミ(4.0) ヨーグルト(4.6) オレンジ(4.3)

pH5

 炭酸水(5.6)

pH6

 コーヒー(6.0)

pH7

 水(7.4)  お茶(6.9)

どうでしたか?

普段、習慣的に摂取しているものはありましたか?

これらの、酸性度が高い飲み物を飲むとすぐに、歯の周りのpHは歯が溶けるレベルまで下がります。

通常、酸性の飲料は酸味があるため唾液の量が⬆

唾液がたくさん出て、唾液が届く部分では6分ほどで元の状態に戻ります。

そのため、唾液が届きにくい部分

被せ物の下や、上の前歯などが特に要注意です。

また、ここに砂糖が含まれていると、更にpHが下がってしまうのでより注意が必要になります。

更に、酸性度が高いペットボトルなどの飲み物をちびちび飲むのは歯が溶けることに関しても、むし歯になりやすさにおいても非常に危険です。

体に良いと思って、毎日過剰に酢を飲まれている方や、イソジンで頻繁にうがいをしている方の中では、歯が著しく溶けてしまっている方をたまに診ることがあります。

私の経験でも歯がツルツルに溶けている状態の方を見た方で、問診をしてみたら、糖質0のコーラーの1.5Lペットボトルを毎日何本も摂取していたり、一日にダンボール一箱食べているかたを診たことがあります。

みなさんも日頃の食習慣を見直してみませんか?

気になることがある方は、是非、歯科医院に受診してみて下さい。

参考資料:カリエスブック 著 伊藤 直人 医歯薬出版