歯医者が内科に手紙を出す理由

2022.06.24
歯医者が内科に手紙を出す理由

こんにちは、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

本日のテーマは

 歯医者が内科に手紙を出す理由です。

近年、超高齢化社会の突入と叫ばれる中、歯科医院に受診する方の年齢も高齢化しております。

以前までは、80歳、90歳になると歯科医院に通院することができず、通院を断念することが多かったのではないでしょうか?

最近では、訪問診療も一般的になり、何らかの理由で歯科医院に受診できない患者さんも歯科と関わることができるようになっております。

そればかりでなく、いわいる、高齢者と言われる年代の活動性は高く、元気に自分の足で通院できる患者さんも増えています。

それに伴い、内科的な病気を患っている患者さんが多くなっています。

歯科で行う治療は、麻酔を使うなど、いわゆる外科的な治療をすることが多く、。当院では内科的疾患がある患者さんには、診療台で血圧が測れるように、血圧計を含めた生体モニターをすべての

診療台に設置しております。

※詳しくは、次回のブログで説明致します。

今回の、テーマである内科への対診は、そのような基礎疾患を伴う患者さんに対してお手紙を送っています。

お手紙を送る病気としては、糖尿病、骨粗鬆症、不整脈、心血管疾患(脳梗塞や心筋梗塞)などがあります。

糖尿病がある人は、歯周病になりやすく(悪くなりやすく)、歯周病がある人は糖尿のコントロールが悪く(糖尿病が悪化)なりやすくなります。

それは、なぜかというと、歯周病菌であるPG菌による悪さによって炎症が起き、その結果、血糖値を下げる役割をするインスリンの効果を弱めてしまうために、血糖値が下がらず高血糖な状態が続いてしまいます。

お口の中の歯茎の腫れはトータルすると手のひらの大きさほどの面積があるとも言われています。これらの、ことを考慮し。自宅でのセルフケアと歯科医院での歯石取り、定期的なメンテンナスをすることで、糖尿病の薬や、普段の食生活が変わらなくても血糖値が落ち着き、HbA1cが下がってくることが知られています。(※すべての人が歯周病をコントロールすると血糖がさがるわけではありません。)

そのため、ハリヨ歯科では糖尿病の疾患のある全ての患者さんには、内科の主治医に手紙を送り、現在の糖尿病の状態、血液検査の結果、内服薬の種類などを問い合わせや連携を行っています。

当院では、糖尿病患者さんには毎回糖尿病手帳を持ってきていただき、血糖値や、HbA1cの変化、口腔内の変化を記録して経過を見ております。

一見なんにも関係がないようにみえる、歯周病と、糖尿病は、まさにコインの裏と表ときっても切り離せない関係なのです。

ハリヨ歯科では、基礎疾患をお持ちの患者さんも安心して通院できるように努めておりますので、お困りごとがありましたらお問い合わせください!

骨粗鬆症の薬で顎の骨が腐るってほんと?

2022.02.11
骨粗鬆症の薬で顎の骨が腐るってほんと?

こんにちは、岐阜県大垣市で開業しているハリヨ歯科の院長の長縄です。

本日は骨粗鬆症とお口の関係についてお話します。

現在骨粗鬆症の患者数は1200万人程度と言われています。

10人に1人は骨粗鬆症と言えます。それくらい、多くの方が患っている病気になります。

そもそも、骨粗鬆症とは何なのかご存知ですか?

日本整形外科学会の説明では、かんたんに言うと

”骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気”と説明されています。

骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状はなく、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。

骨折が起こると、その部分が痛くなり動けなくなり、場合によりは寝たきりに。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

現在の日本は超高齢化社会と言われていますので、これから、もっともっと骨粗鬆症の患者さんが増えてくることが予想されます。

その際に注意が必要になるのが、口の中の衛生状態なのです。

えっ!?

どういうこと、っと思いますよね。では、なぜ骨粗鬆症と歯医者が関係あるかを説明していきたいと思います。

骨粗鬆症自体にお口のかなと問題になることはありません。

問題が出てくるのは、骨粗鬆症のお薬を飲んでいる方です。

お薬と言ってもいろいろな種類のお薬がありますので、問題となるお薬と、問題ないお薬があります。

まず、問題ないお薬としてはカルシウム製剤、ビタミン製剤などです。

問題となるものは骨吸収抑制薬(ビスフォスフォネート剤、ランクル製剤)と言われているお薬です。

これらのお薬を長期的に内服もしくは点滴している方に注意が必要です。

簡単に説明すると、骨を強くする骨吸収抑制薬は、骨粗鬆症の治療に最も多く使われる薬です。しかし、重大な副作用なとして、顎の骨が腐ってしまうことがあります。

なぜ腐ってしまうのかというと、

本来骨は、破骨細胞と言われる細胞で、骨を壊します。続いて骨芽細胞が骨を作ることで常に新しく再生、代謝を行っています。

骨吸収抑制薬はこの破骨細胞を止めることで、新しく骨が作られなくなり、骨がカチカチになることで骨密度を上げていきます。

骨粗鬆症に対しては非常に良い薬です。しかし、その反面ある問題が出てきます。

この薬の85%は硬い骨(緻密骨)に集まると言われています。顎の骨の殆どはこの緻密骨でできているために、顎の骨に高濃度に骨吸収抑制薬が蓄積されます。

高密度になった、骨は新しい骨ができにくく、さらに新しい血管ができることも抑制、骨の血流が下がり、骨にできた傷も治りにくくなります。

ここの抜歯や歯周病が進行した歯が存在すると、そこから感染を起こします。しかし、新しく骨ができたりしにくいため、感染が治らず進行し、場合によっては顎の骨が腐って溶けてしまうのです。

すべての方がそのような経過をたどるわけではありませんが、一定数の割合で顎骨壊死が起こることがわかっています。

それらの薬を飲む際には先に、歯科医院でチェックしてもらうことが重要となります。また、歯周病が進行しないように、日頃から歯科医院に定期健診を続けていれば、そんなに問題になることもありません。

お薬を飲む際には是非、お声がけ下さい!

 

歯がしみる!これって虫歯?

2022.02.03
歯がしみる!これって虫歯?

こんにちは、岐阜県大垣市の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

歯がしみる!これって虫歯?

についてお話していきます。

今年の冬は例年に増して、年末年始から雪が多く寒い日が続きますね!

そんなん時に、家で飲む水道の水もいつも以上に冷えていて、水を飲むときや、歯磨きをしたあとにうがいをするときにヒヤッと冷たさを感じたことはありませんか?

あれ?しみるぞっと。そこで頭をよぎるのが虫歯かもっと、思われる方も多いのではないのでしょうか。

歯がしみる原因には何があると思いますか?

大きく分けて2種類があります。

1つ目に

想像しやすいのはむし歯によるものですよね。

あ、なんか凍みる。むし歯かもしれないと思い歯医者の予約を取ろうかなと思うのではないでしょうか?

むし歯ができるポイントは大きく分けて2種類

歯の上の溝からむし歯になるパターン

これは、生えたての歯など若い年齢で出来やすいパターンです。むし歯の入り口が小さくて中で広がっていることが多く、なかなか気づかないことがあります。小中学生の奥歯が最も危険にさらされやすいので、要注意。甘いものや冷たいものが凍みることがあります。

歯と歯の間からむし歯になるパターン

食生活、特に飲み物や間食の摂取によってなりやすいむし歯。

ジュースや、カフェオレ、コーヒー(ブラックではないコーヒー)などを好んで飲んでいると特になりやすいので注意して下さい。見た目では分かりにくくても、レントゲンや歯科医師の診察で見つかるむし歯も多くあります。

気になる方は、ぜひ一度歯科医院で相談してみてください。

2つ目は知覚過敏

まずは、知覚過敏についてお話します。

知覚過敏が出る原因として多いのは、歯の根元の部分が削れてしまって、神経との距離が近くなってしまった状態です。

削れる原因については、歯ブラシ圧が強すぎて、削れていると昔は言われていましたが、現在はそれ以外に食いしばりや、歯ぎしりが原因で歯が削れると言われています。

私は、夜に歯ぎしりがあると言われたことがない人も要注意。ギシギシ言わなくてもぐーっと食いしばりをしているかもしれません。

あとは、日中気付いた時に、ぐっと噛み込んでいることはないですか?

特にパソコンを使う事務系の職種の方は集中した時に、いつの間にか噛んでしまっていることがあるので要注意です。一度意識して噛んでいない確認してみてください。

このように、削れてしまったことによる知覚過敏は、その削れた部分をCRという、プラスチックのような素材を詰めて上げることにより、しみる症状が改善することが多いので、気になる方は一度歯科医院に受診してみてください。

 

”妊婦さんは歯医者にいっても大丈夫?その②

2021.12.31
”妊婦さんは歯医者にいっても大丈夫?その②

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは、前回に引き続き

”妊婦さんは歯医者にいっても大丈夫?

についてお話していきます。

妊婦さんになってみんなが少し悩む歯医者の受診について説明していきます。

よく妊婦さんからは麻酔のこと、レントゲンのこと、飲み薬のこと質問されることが多くあります。前回は麻酔のこと、レントゲンのことをお話しました。

今回は飲み薬についてお話していきます。

妊娠前では、何気なく使っていた薬でも、妊娠するとおなかのあかちゃんに影響したらどうだろうと不安に思われることも多いと思います。

結論から言えば、ハリヨ歯科で処方しているお薬は基本的には妊娠中に飲んでも問題ないお薬を処方させて頂いていますので安心して下さい。

それでも、気になることはあると思いますので、簡単にお薬と妊娠との関係に付いてお話していきます。

まずは、薬の服用については、妊娠のいつの時期かが重要になります。

赤ちゃんが成長していく段階で、胎児への影響が出やすい時期はいつなのかを考えていきましょう。

妊娠の初期の初期4週まで(ほとんど、自分ではまだ妊娠していることも気付いていない時期です。)

この時期は胎児の器官の形成はされていないので、基本的にお薬を飲んでしまってもほとんど影響はありません。

続いて妊娠初期(4〜7週)

この時期は胎児の体の基礎が作られる器官形成期であり、妊娠初期は最も影響が受けやすい時期。(薬を飲むときは医師と相談しましょう)

妊娠初期(8〜15週)

抹消の形成器(手足など)に影響が生じる可能性がある時期

安定期(16週以降)

基本的には重要な器官の形成が終わっているため、ほとんど薬の影響が受けなくなります。ただし、胎盤を通じて胎児に移行するため、大量の投与などした場合には注意が必要です。

これらの影響がある薬と言っても、すべての薬が影響を与えるわけではありません。そのため、注意してお薬を処方すれば、安心してお薬を飲んでもらえます。

しかし、とはいっても、妊娠中にお薬は飲みたくないですよね。

妊娠中に起こるお薬の処方の原因でおおい2つについてお話します。

妊娠中につわりなどがあり、口腔内のケアが行き届かなくなり、歯周病が悪化する場合、もしくは親知らずが痛くなる場合です。さらに、妊娠時に女性ホルモンが大好きな菌が増えてしまうことで、急激に歯周病が悪化してしまうこともあります。

そういった場合は、痛み止めや、化膿止めを処方して炎症を抑えなければならないこともあります。私が、市中病院で勤務していたときは、炎症が治まらないために、抜歯をしなければならなかったこともあります。

もう一つのパターンは、虫歯が大きくなり、ズキズキした痛みが出ることです。

そのため、妊娠する前には(妊娠を希望する方は、妊娠をする前に)歯科医院でお口の中をチェックして、必要な処置をしてもらうことが一番の予防に繋がります。

ぜひ、早め早めに歯科医院に受診しましょう!

 

 

妊婦さんは歯医者に行っても大丈夫?その①

2021.11.26
妊婦さんは歯医者に行っても大丈夫?その①

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

”妊婦さんは歯医者にいっても大丈夫?

についてお話していきます。

妊婦さんになってみんなが少し悩む歯医者の受診について説明していきます。

よく妊婦さんからは麻酔のこと、レントゲンのこと、飲み薬のこと質問されることが多くあります。そこで今回は、この3点について説明していきますね。

まずは、麻酔についてです。なんとなく、妊娠中になると歯医者にいって麻酔をしても良いのか心配になりますよね。

歯科医院で使用する麻酔は、リドカインと言われているのもです。

リドカイン自体は、無痛分娩や帝王切開でも使われるもので、妊娠全週で問題なく使用できます。通常量をつかっても問題ありませんので妊娠中でも安心して麻酔は受けていただけます。

次に、歯科用レントゲンはどうでしょうか?

そもそも、歯医者で最初に受診した時に、痛みなどの症状もないのになんでレントゲンを撮るのだろうと思ったことはありませんか?

歯医者が診る病気はズキズキするようになったむし歯だけではありません。

歯周病をご存知ですか?私は歯周病ではないから大丈夫と思っている方でも、実は歯周病かもしれません。そもそも、成人の8割は歯周病になっていると言われており初期の歯周病は痛みを伴いにくく、気づいたら歯を支えている骨が溶けていいることがあります。これらは、レントゲンを通してではないと今の骨の状態はわかりません。

また、神経のない歯がむし歯なってしまっても、痛みを感じないために気づいたら大きな虫歯になっていることもあります。そのため、歯科医院では、痛みなどの症状がなくても1年に一回ほどレントゲンを撮影し、外からは見えない骨の状態や、歯の状態をチェックするために撮影を行っています。

話を戻して、歯科のレントゲンについてお話します。

よく、レントゲンを撮る際に患者さんから言われるのは、放射線の被曝についてです。

福島の原発事故が合ったから、より被爆について気にされている方が多くなったような気がします。

まずは、胎児への影響が考えられる被曝量はいくつか。

50mSv未満は胎児への影響と被曝量との関係は認められていません。

では、被爆に関連される放射線量は一体どれくらいなのでしょうか?

まず、一般的に生活されていても放射線を被爆することはご存知ですか?宇宙や空気、大地、食べ物から受ける放射線量です。

1年でおおよそ約2.1mSv。

東京ーニューヨークを飛行機で一往復 0.2mSv

集団検診で行われる、胸のレントゲン写真:約0.5mSv

病院で受けるCT検査 5〜30mSv

では、歯医者で行う顎全体のレントゲン検査の被曝量はいくらでしょうか。

実は、胸のレントゲンの1/50の0.01mSv

→日本に生活している人が一年間に浴びる放射線量の1/210

さらに、歯をピンポイントで取る小さなレントゲンは0.008mSvと極々、微量です。

→日本に生活している人が一年間に浴びる放射線量の1/262

さらに、鉛のエプロンを着て撮影するために、ほとんど歯科医院で撮影するレントゲンは母子共に影響となることはほとんどありません。

レントゲンの撮影に関しては、主治医の歯科医師と相談のうえ受けられたらよいかと思います。

幼児の自分歯磨きに潜む危険

2021.11.23
幼児の自分歯磨きに潜む危険

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

幼児の自分磨きに潜む危険に付いてです。

皆さんのお子さんはいつから自分で歯を磨くようにしていますか?

その際に注意していることはありますか?

小さいお子さんの歯磨きををする際に、成長と共に、徐々に自分で歯ブラシを使って歯を磨きたがることが増えていきます。

歯磨きをならすために、1歳頃からでも見様見真似で自分で歯ブラシを持ちたがることも増えてきますよね。

そこでの注意点が、歯ブラシによる事故です。

以下の図は消費者庁のHPより引用させて頂きました。

実は、歯ブラシによる事故の一番多い時期は1歳の時期です。

表から見てもわかるように1〜3歳が特に多いことがわかります。

さらに、その多くは、歯ブラシをくわえたまま歩き転倒することなどが原因です。

私は、ハリヨ歯科を開業する前までは、市中病院の口腔外科で勤務をしていました。その中でも、歯ブラシの転倒による、口腔内損傷を数例診たことがあります。

その際も多くは低年齢児、親が目を話したすきに、転倒し受傷しておりこの報告の通りでした。

歯ブラシを咥えたまま転倒することで、歯ブラシは喉の奥に突き刺さり、場合によっては首の血管を損傷することすら考えられますし、そのような報告を学会で聞いたこともあります。そのため、我が家では、歯ブラシを咥えながら歩くことを子供には厳しく指導しています。それくらい、一瞬の出来事で大事にもなってしまう事象なのです。

事故が起こっても、怪我を生じないことや、幸いに軽いけがで済んでしまうことも多いのですが、報告としては、検査後に、喉に管を通して集中治療室に1週間入院しているものや、歯ブラシが刺さったまま抜けなくなって救急搬送され、入院を余儀なくされている報告もあります。

保護者の皆さんに注意してほしいことは

歯磨き中は、保護者がそばで見守り、床に座らせて歯磨きをさせましょう。

子どもが、歯ブラシを口に入れたり、手に持ったりしたまま歩き回ると、 転倒してけがをする危険があります。

不安定な場所での歯磨きはやめましょう。

子ども用歯ブラシは、喉突き防止対 策を施したものを選びましょう。

特に小さいお子さん(1〜3歳)では、保護者が仕上 げ磨きをする歯ブラシと使い分けを しましょう。

歯磨きは歯を守るため、体の健康を守るためには非常に重要な行為です。

歯磨きの正しい方法、道具を選びなどを、歯科医院で適切な指導を受けることで安全な時間にして頂ければなと思います。

なにかわからないことがあれば、いつでもお声がけ下さい。

 

飲み物で歯が溶けるってほんと?

2021.11.14

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

本日のテーマは、飲み物で歯が溶けるのかという疑問に付いてお答えします。

我々が小さいときは、炭酸飲料を飲みすぎると、骨が溶けるよってよく言われたものです。

そんな、ことは無いと思いながら、まことしやかにささやかれていましたが・・。

「炭酸飲料を飲むとカルシウム(骨)が溶ける」という話は、無果汁加糖炭酸飲料に含まれるリンが体内のカルシウムとくっついて、リン酸カルシウムという形になって体外に出ていってしまうことがあるからです。無糖の場合は問題ありません、等が入っていると少し問題になるみたいです。

では、歯についてはどうでしょうか?

歯は酸性の食べ物や飲み物を飲むことで溶けてしまいます。このことを、歯科業界では酸蝕症と読んでいます。

読んで如く

歯が酸の強いものを食べて蝕まれた状態のことです。

酸性の食べ物、飲み物としてパッと思い浮かぶものはありますか?

黒酢や、レモン、もずく酢などを思い浮かべますかね?
通常はお口の中はpH7で中性で、歯のエナメル質はpH5.5以下になると溶け始めます。そのため酸性度の高い食べ物や飲み物を飲み続けると、歯が溶けてしまうのです。

食べ物と飲み物のpHを見ていきましょう。

pH2

レモン(2.3) コーラ(2.7)

pH3

  ワイン(3.2) エナジードリンク(3.9) スポーツドリンク(3.5)

pH4

 グミ(4.0) ヨーグルト(4.6) オレンジ(4.3)

pH5

 炭酸水(5.6)

pH6

 コーヒー(6.0)

pH7

 水(7.4)  お茶(6.9)

どうでしたか?

普段、習慣的に摂取しているものはありましたか?

これらの、酸性度が高い飲み物を飲むとすぐに、歯の周りのpHは歯が溶けるレベルまで下がります。

通常、酸性の飲料は酸味があるため唾液の量が⬆

唾液がたくさん出て、唾液が届く部分では6分ほどで元の状態に戻ります。

そのため、唾液が届きにくい部分

被せ物の下や、上の前歯などが特に要注意です。

また、ここに砂糖が含まれていると、更にpHが下がってしまうのでより注意が必要になります。

更に、酸性度が高いペットボトルなどの飲み物をちびちび飲むのは歯が溶けることに関しても、むし歯になりやすさにおいても非常に危険です。

体に良いと思って、毎日過剰に酢を飲まれている方や、イソジンで頻繁にうがいをしている方の中では、歯が著しく溶けてしまっている方をたまに診ることがあります。

私の経験でも歯がツルツルに溶けている状態の方を見た方で、問診をしてみたら、糖質0のコーラーの1.5Lペットボトルを毎日何本も摂取していたり、一日にダンボール一箱食べているかたを診たことがあります。

みなさんも日頃の食習慣を見直してみませんか?

気になることがある方は、是非、歯科医院に受診してみて下さい。

参考資料:カリエスブック 著 伊藤 直人 医歯薬出版

ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか?

2021.11.10
ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか?

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

”ご飯の時にテーブルに飲み物をおいていませんか”

です。

ん?何がいけないのと思っているあなた。知らず知らずのうちに歯科的なダメ行為を行っているかもしれません。

特に小さなお子さんを子育て中の方に必見です。

では、今一度、いつもの食卓風景を想像してみてください。

今の時代当たり前のようにご飯のときにはセットでお茶や牛乳、お水などがテーブルに置かれています。自分たちが小さい頃はどうだったでしょうか?思い出してみてください。

思い出せない人のために、サザエさんの食卓を見てください。なんと、ご飯の際にテーブルにお水やお茶は置かれていません。

食事が終わった後に、みんなでお茶を飲みながら話している場面がみてとれます。

昭和の時代はそれが普通でした。それがいつからか、ご飯の時にテーブルに飲み物が登場することが当たり前な時代になっているのです。

その一つの要因に、今は、外食をするのが日常になって来ています。歩いて行ける距離には何件もご飯屋さんがありますよね。

ごはん屋さんに行くと、まず出てくるのは何でしょうか?

お水やお茶が出てきますよね。いつしかそれが当たり前の光景になり、自宅でも同じように、ご飯には飲み物がセットになってきているのです。

では、なぜ、飲み物を一緒に出してはいけないのか、わかりますか?

答えは簡単、お口の中が食べ物がいっぱいになったら、噛まずに水と一緒に流し込んでしまうのです。噛む回数は激減!!

そもそも、顎は噛むことによる刺激で発達していきます。そのために、あまり噛まない子供の顎は成長が乏しく、小さく育ってしまいます。

ここで問題となるのが、顎は小さくなっても、歯の大きさは変わらないということ。顎が小さくなったのに、歯の大きさが変わらなければ何が起こるでしょうか?

例えとしたら、電車の長椅子に5人で座れるスペースに6人が座ろうと思うとどうなりますか。キツキツでうまく座れないかもしれません、座るスペースが無くて外に押し出されてしまうかもしれません。

歯も同じ、顎が小さければ歯が並ぶスペースが無くなり、ガタガタな歯並びになってしまいます。

そのため、小さいときから、よく噛み、顎を育てていく必要があるのです。昔と比べ、食事も和食から欧米食に変化しています。和食と、欧米食の違いはなんだと思いますか?特に欧米食は柔らかい食べ物が多いですよね。ハンバーガーや、ハンバーグ、パンやパスタなど。和食に比べて噛みごたえがないものが多く、普段意識していないと噛む回数がどんどん減っていきます。それに合わせて、お水の登場。

もう、ほとんど噛まなくて良い食事ばっかりになってしまいます。

普段当たり前だと思っていることが、実は、間違いかもしれないと注意深く考えることも必要なのかもしれませんね。

お子さんの顎をすくすくと成長させるためにも、テーブルにお水を置くのはやめましょう!

お菓子やジューズの後にうがいをすれば大丈夫は、ほんと!?うそ!?

2021.11.06

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科院長の長縄です。

今回のテーマは

”お菓子やジューズの後にうがいをすれば大丈夫は、ほんと!?うそ!?”

についてお話していきます。

ジュースや、アメを舐めてもすぐにうがいをすればむし歯にならないって聞いたことありますか?巷で聞く、まことしやかに囁かれているこのお話を本日は検証していきます。

まず、最初に結論から言いますと、答えは、ある一定の条件をクリアーすれば本当ですが、それをクリアーするためには至難の技。なので、現実的には嘘ということになります。

ある実験をご紹介します。

その実験は、うがいによる口腔内のpHの変化調べてみました。

まず、この口腔内のpHというのは、何かわかりますか?

これはお口の中が酸性にあるのかアルカリ性にあるのかを見るものです。基本的には、お口の中は、何もしていなければ中性にあります。

食事をしたり、お菓子を食べたりすると、その中の砂糖を細菌が食べることで酸性に傾きます。歯は酸性にあるときに歯の成分が溶け出すことでむし歯になりやすくなるのです。

その後、人の唾液の力で酸性に傾いたpHは中性に戻ろうとします。

その中性に戻ろうとする力を緩衝能と呼ぶのですが、多くは30分くらいで元の状態に戻ることがわかっています。しかし、個人差があるため、この緩衝能の力が弱い人はなかなか元に戻らないためにむし歯になりやすくなります。

一度酸性になった、状態でうがいをしたら、早く元に戻りそうですが、実はそうでも無いんです。

実験では、歯磨きが不十分な状態で、3%スクロース液(砂糖)を洗口してpHを下げてから、水で10秒間のブクブクうがいを10秒〜60秒ごとに繰り返しました。

その結果。pHが中性に戻るまでに、平均して15回も洗口しなければなりませんでした。

甘いものを摂取する度に10秒間のブクブクうがいを15回行うのはあまりにも現実的ではありませんね。

そのため、本日の答えは

ある一定の条件をクリアーすれば本当ですが、それをクリアーするためには至難の技。なので、現実的には難しいということになります。

また、それでも食べたいときのPointは

ダラダラ食べない、ダラダラ飲まない!特にペットボトルは蓋を閉めることができるのでちょびちょび飲んでしまいます。

先程も記載したように、食事後に30分経たないと、お口の中のpHが元には戻らないために,

30分毎にチョロチョロ間食をとると、ずっと歯はむし歯の影響を受けることとなり、むし歯になってしまうのです。

極端な話をすれば、一度に大量にお菓子を食べるのと、チョロチョロ食べ続けるのでは、むし歯のみをターゲットにしたならば、一度にたくさんのお菓子を食べた方がむし歯になりにくくなります。

そういったことを意識しながら上手にお菓子を食べれると良いと思います。

歯磨きは一日何回磨いたらいいの?

2021.11.01
歯磨きは一日何回磨いたらいいの?

こんにちは、岐阜県大垣市今宿の歯医者、ハリヨ歯科の院長の長縄です。

今回のテーマは

歯磨きは一日に何回磨けば良いのか?

についてお話していきます。

皆さんは一日何回歯磨きされていますか?

多くの方は2〜3回磨かれていることが多いのではないでしょうか?

実際に平成28年の厚生労働省、歯科疾患実態調査の結果では一番多いのが1日2回で49.8%と概ね半分のかたが1日2回歯を磨いているという結果でした。ついで多いのが1日3回以上で27.3%、一回は18.3%という結果でした。

では、磨く回数の違いと、むし歯の出来やすさに差はあるのでしょうか?ある研究では、1日1回磨くのと、2回磨くのでは、2回以上磨いたほうがむし歯の発生リスクを下げることが出来るとの結果が出ました。

2回と3回では、そこまで調べられた研究がないためそちらは不明でいした。

そのため、1日1回磨くよりは2回磨くことをお勧めします。

また、歯を磨く時間に付いてもポイントがあります。

1日のうちで歯を磨く時間としてはいつが一番有効か。

いつ磨いても一緒じゃないのと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ポイントがあるんです。

皆さんはいつが良いと思いますか?

朝?昼?夜?

 

正解は夜寝る前です。

なぜ夜が良いかというと、夜寝ているときは、唾液の量が減少します。そのためお口の中が乾燥するのです。

みなさんも朝起きたときに口が乾燥すると感じたことはありませんか?

口の中が乾燥すると、口腔内の細菌が繁殖してしまいます。

そのため、お口の中で菌が一番多い時間帯は朝起きたときになります。だったら朝磨くのが一番じゃないのと感じるかもしれませんが、夜寝る前に、しっかり歯を磨くことにより、お口の中の細菌数を極力少なくする事が大事です。細菌が増えれば、お口のかなで悪さもするのでむし歯や歯周病が進行してしまったり、年配の方では誤嚥性肺炎の原因にもなっていまします。

そのため、はみがきで 一番時間をかけて入念に行うのは夜寝る前がよろしいかと思います。

先程も言ったように、朝に細菌が最も繁殖しているために、朝起きてから磨いて置くのも良いと思います。

歯磨きについては、毎日やっており、習慣となっている方が多いと思います。一度は歯科医院で、歯磨き指導を受けたこともあるかと思います。

歯磨きで大事なのは、磨いていると、磨けているとは大きく違うということ。自分では、磨けていいると思っていても、歯科医院で磨き残しの染め出しを行うと、思った以上に染め出されてしまう経験をした事がある人も多いのではないでしょうか?

一度、歯磨きチェックを歯科医院でしてもらいましょう。